モノづくりの喜びを可愛いボトルに詰め込んで(後編)

まだまだ知らないことばかりだけれど、日本ワインをもっと知りたい!と意欲満々のワタシ、ヴァインツリー編集部員・りょーこが、ワイナリーを訪ねて感じたあれこれをお伝えします。こんなことを聞いたら怒られるかも…なんて、ちょっとおっかなびっくりのレポートですが、同じように日本ワインをもっと知りたい! というみなさん、どうぞご一緒に。


episode 8_2
モノづくりの喜びを可愛いボトルに詰め込んで(後編)

モノづくりを楽しむ「都市型ワイナリー」の魅力

ヴァインツリー編集部として初訪問となる東京の都市型ワイナリー第1号は、東京・御徒町の街中に醸造所を構える「BookRoad〜葡蔵人〜(以下、ブックロード)」へ。

前編はこちら!>>

1階に醸造施設を構えるビルの3階が、ショップとテイスティングルームになっています。東京・御徒町の街中で、ワイナリーの本格的なテイスティングが楽しめるのです。

選ぶ際にテイスティングを勧めると、「まだ仕事があるから飲めないんです」。仕事の休憩中にワインを買いにくる人がいるのも、まさに都市型ワイナリーならでは、ですね。

3階はあたたかみのある照明の優しい色合いで、まるでカフェのよう。女性一人でもゆったりと過ごせそうですよ。

ブックロードのワインは、ご覧の通り、デザインがとっても素敵。エチケットを決める際は、そのワインを飲むときのシーンをイメージしながら社員全員でアイデアを出し合うのだそう。

「例えばアジロンというブドウを使ったワインは、ジューシーなパテの挟まったハンバーガーとご一緒に楽しまれてはいかが? そんな気持ちを込めて、ハンバーガーのイラストを描きました。他のワインも、一緒に楽しんでいただきたい食べ物や、シチュエーションなどをイメージしているんです」と須合さん。

ポップなテイストも乙女心をくすぐります。どこまでも飲む人に寄り添ってくれるワイナリーだからこそ、ワインの敷居の高いイメージを覆してくれるような気がします。この気軽さこそ、ブックロードの最大の強みではないでしょうか。


ワインをもっと身近に感じて欲しい

味わってみて、私が特に印象的だったのがサンジョベーゼです。長野県須坂市産を100%使用しており、香りは華やかですが、清々しい果汁感とタンニンもしっかり感じられます。

一口飲むと、「今日の夕食に合わせたい」と思わせるのがブックロードのワイン。エチケットにはニンニクのイラストが描かれているから、「じゃあ今日はニンニクをアクセントにしたお料理を!」そんなアイデアをくれます。

エチケットの可愛らしさもさることながら、なんと言っても、輝くローズカラーは女性のハートをガッチリ掴んで離さないでしょう。まるで映画のワンシーンに登場するかのような色のワインをグラスに注げば、今夜の夕食がちょっとゴージャスなムードに。

「ワインは特別な日に飲むものという概念を払拭したい」と話す須合さん。もっと身近に、「ビールのような感覚で飲んでほしい」とも。一歩ずつ、その思いは現実のものとなっています。


ブドウと蔵と人が繋がるために

ワインを飲む人のために、笑顔溢れるワイナリーづくりを行うブックロード。現在醸造から瓶詰め、SNSなどの情報発信をほぼ須合さん一人で行っているそうです。

「醸造過程や風景を発信することで、きっと私たちのワインを味わう人が喜んでくれるはず。同時に、ワイナリーを知ってもらうきっかけになると信じています。ただ、ワイン造りは一度作業が始まってしまうと、終わるまで手が離せません。SNSを更新する暇もないほどの怒涛の作業が待っています。現実と理想のギャップと戦いながら、日々ワインづくりに奮闘しています」

ブドウと、蔵と、人。その3つが目に見えない道でつながり、繁栄してほしい。そんな願いを実現させるべく、日夜努力する一途な姿は、蔵前から御徒町にかけてものづくりに尽力する姿にも重なり、まさに職人そのものです。

しかし、職人の仮面の下には大きく深い愛情を持つ母の顔が隠れています。そんなブックロードだからこそ、ここにあるのは、より身近で、より親しみやすいワイン。もっと気軽にワイナリーへおいでよ! と私たちに呼びかけてくれています。

さて、ではお言葉に甘えて。来週の金曜日はいつもの飲み仲間と一緒にワインを飲みにこようかな。


BookRoad〜葡蔵人〜

http://bookroad.tokyo/

住所:東京都台東区台東3−40−2

電話:03–5846−8660

会社営業時間:営業時間・定休日はお問い合わせください。 

ショップ定休日:営業時間・定休日はお問い合わせください。 

見学:営業時間・定休日はお問い合わせください。


【りょーこ プロフィール】

Vinetree株式会社 

メディア担当

1990年生まれ・千葉県出身。食べ物、お酒をこよなく愛する。最初は海外のデイリーワインから始まり、まもなく日本ワインのとりこに。家飲みでは飽き足らず飲み歩く日々。最初から最後までハッピーな気分で飲みきれるワイン、悲しいことがあった時に付き合ってくれるワインたちが大好きです!

VinetreeMAGAZINE

VinetreeMAGAZINEは、日本ワインの情報を集めたWebマガジンです